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※内容は一般的な実務情報の概要のため、最終的な判断は最新の公式情報や専門家への確認を前提にしてください。
まず結論
役員(取締役・監査役・代表取締役など)の就任・退任・辞任・任期満了は、変更があった日から2週間以内に、本店所在地を管轄する法務局へ変更登記を申請します(会社法915条1項)。任期満了と同時に同じ人が選ばれ直す「重任」でも登記は必要で、法務省も「再任の方も登記が必要」と注意喚起しています。期限を過ぎると代表者個人に100万円以下の過料が科されることがあります(会社法976条)。登録免許税は申請1件につき1万円(資本金1億円超の会社は3万円)で、複数の役員の変更を1件にまとめれば1件分です(登録免許税法 別表第一。2026年10月時点)。
状況の整理:どの登記が必要か
| 状況 | 登記の内容 | 主な添付書類(株式会社) |
|---|---|---|
| 任期満了で同じ人が続ける | 重任 | 株主総会議事録、株主リスト、就任承諾書(議事録の記載で代えられる場合あり) |
| 任期満了で退任し、別の人が就任 | 退任+就任 | 株主総会議事録、株主リスト、就任承諾書、本人確認証明書(新任者) |
| 任期の途中で辞任 | 辞任 | 辞任届。届出印を提出している代表取締役等の辞任は、会社届出印の押印か、個人実印+印鑑証明書 |
| 代表取締役の交代 | 代表取締役の退任+就任 | 取締役会議事録または株主総会議事録、就任承諾書、印鑑証明書、株主リスト(株主総会で選定した場合) |
| 役員の氏名・住所の変更 | 氏名・住所変更 | 変更を証する書面は原則不要。かんたん登記申請の対象 |
| 合同会社の業務執行社員・代表社員の変更 | 社員の加入・退社、代表社員の変更 | 総社員の同意書、定款、就任承諾書など。業務を執行しない社員だけの変更は登記不要 |
本人確認証明書(住民票の写し、運転免許証の両面コピーに原本証明したものなど)は、就任承諾書に印鑑証明書を添付しない取締役・監査役が新たに就任するときに必要です。重任では不要です。印鑑証明書は、取締役会設置会社の代表取締役、取締役会を置かない会社の取締役が就任するときに就任承諾書へ添付します(商業登記規則61条)。株主リストは、2016年10月以降、株主総会の決議を要する登記に添付が必要になりました。
任期の数え方と「重任」
取締役の任期は原則2年、監査役は原則4年で、いずれも「選任後◯年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時まで」です(会社法332条・336条)。株式の譲渡制限がある非公開会社は、定款で最長10年まで伸ばせます。中小企業では10年に伸ばしている会社が多く、そのぶん任期満了を忘れやすくなります。定款の任期規定と、前回の役員変更登記の日付を総務で台帳管理し、定時株主総会の議案に役員選任を入れる運用にしておくと確実です。
任期満了の日に同じ人が再び選ばれ、空白なく就任することを「重任」といい、登記は重任1件で済みます。いったん退任して期間が空いてから就任すると「退任」と「就任」の2つの登記になり、登録免許税も2件分になることがあります。
申請までの流れ
定款の任期規定と履歴事項全部証明書の「役員に関する事項」から、今年満了する役員を洗い出す
定時株主総会で役員選任を決議し、議事録を作る(株主総会議事録の作り方)。代表取締役は取締役会または定款の定めに従って選定
議事録、株主リスト、就任承諾書、本人確認証明書・印鑑証明書、辞任届。法務局の様式に合わせて作成
法務局の窓口・郵送、または登記・供託オンライン申請システム。登録免許税は収入印紙または電子納付
登記事項証明書を取得し、取引先・金融機関・許認可の届出、名刺や契約書の代表者名を更新する
注意点
- みなし解散:株式会社は最後の登記から12年経過すると、法務大臣の官報公告から2か月以内に「事業を廃止していない旨の届出」か登記をしなければ解散したものとみなされます(会社法472条)。任期を10年にしている会社は、重任登記を1回忘れると12年に達しやすいため要注意です。
- 代表取締役等の住所非表示措置:2024年10月1日から、登記申請と同時に申し出れば、登記事項証明書などの代表取締役の住所を市区町村までの表示にできます。すでに登記されている住所は対象外で、就任や住所変更の登記のタイミングで申し出ます。
- かんたん登記申請の対象:オンラインの簡易申請は、2026年10月時点で役員の住所・氏名変更などが対象です。就任・退任・重任の登記は通常のオンライン申請(電子証明書が必要)か書面で行います。
- 登記後に変わる書類:代表者が変わると、税務署・都道府県・市区町村への異動届、社会保険の事業所関係変更届、銀行の届出、許認可の変更届が別に必要です。年間の届出は法人の届出・申告の年間カレンダーにまとめています。
役員変更に伴う議事録や登記関係書類の保存年限は書類の法定保存期間で確認できます。
FAQ
役員が1人の会社でも、任期満了のたびに登記が必要ですか?
必要です。同じ人が続ける場合も重任登記を申請します。任期を10年にしている場合は10年に1回ですが、忘れると過料やみなし解散の対象になるため、定款の任期と前回登記日を台帳で管理してください。
2週間を過ぎてしまった場合はどうすればよいですか?
期限を過ぎても登記はできます。放置すると過料の金額が増える傾向があるため、気づいた時点で速やかに申請してください。過料は会社ではなく代表者個人に科されます。
自分で申請できますか?司法書士に頼むべきですか?
重任だけなら法務局の様式を使って自社で申請する会社も多いです。代表取締役の交代、辞任と就任が重なる場合、定款の変更を伴う場合は書類が増えるため、司法書士への依頼を検討してください。
参考リンク(公式)
- 法務省:役員の変更の登記を忘れていませんか?(再任の方も必要です)
- 法務局:商業・法人登記の申請書様式
- 法務省:株主リストの添付について
- 法務省:休眠会社・休眠一般法人の整理作業(みなし解散)
- 法務省:代表取締役等住所非表示措置
- 国税庁:登録免許税の税額表
まとめ
役員の変更は、重任を含めて2週間以内に登記します。登録免許税は1件1万円(資本金1億円超は3万円)で、株主総会議事録・株主リスト・就任承諾書が基本の添付書類です。任期を10年にしている会社ほど忘れやすいため、定款の任期と前回の登記日を台帳で管理し、定時株主総会の議案に役員選任を組み込んでください。様式と最新の取扱いは法務局・法務省の公式ページで確認してください(2026年10月19日確認)。
この記事は一般的な実務情報の提供を目的としています。個別の登記手続きは、最新の法務局の案内および司法書士等の専門家にご確認ください。
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