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General Affairs

中小企業の社内規程整備就業規則と必要な規程の一覧・作り方・届出

社内規程は「就業規則とその別規程(法律で義務)」と「税務・情報管理のために作る規程(実務上必要)」に分かれます。どれが義務で、どれから作るかを根拠つきで整理し、作成から届出・周知までの手順をまとめます。

※本記事は広告(アフィリエイトリンク)を含みます。
※内容は一般的な実務情報の概要のため、最終的な判断は最新の公式情報や専門家への確認を前提にしてください。

まず結論

常時10人以上の労働者(パート・アルバイトを含む、事業場単位)を使う会社は、就業規則を作成し、過半数代表の意見書を添えて労働基準監督署へ届け出る義務があります(労働基準法89条・90条)。賃金規程や退職金規程、育児・介護休業規程は就業規則の一部なので、別冊にしていても届出の対象です。従業員に周知して初めて効力が生じ(106条)、作成・届出・周知を怠ると30万円以下の罰金の対象になります(120条)。10人未満でも、周知した合理的な就業規則は労働契約の内容になるため(労働契約法7条)、厚生労働省は規模を問わず作成を勧めています。これに加えて、個人情報、マイナンバー、電子取引データ、旅費の4つは、法令やガイドラインが規程や社内ルールの整備を前提にしているため、就業規則の次に優先します(2026年10月時点)。

義務(労基法)常時10人以上:就業規則+賃金・退職金・育介規程の届出と周知
準義務(法令・指針)ハラスメント防止措置、個人情報・マイナンバーの取扱い、電子取引の事務処理規程
実務上必要旅費規程、経費精算規程、文書・印章管理、電子契約規程

必要な規程の一覧と根拠

規程根拠対象・ポイント
就業規則労働基準法89条〜常時10人以上で作成・届出義務。記載事項は下記。厚労省モデル就業規則(令和7年12月版)が雛形
賃金規程・退職金規程労基法89条2号・3号の2就業規則の一部。別冊でも届出対象。締切日・支払日・昇給・手当の基準を明記
育児・介護休業規程育児・介護休業法2025年4月・10月の改正に対応した厚労省の規定例(令和8年3月版)あり。改正の内容
ハラスメント防止規程労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法ほかパワハラ防止措置は中小企業も2022年4月から義務。カスハラ・求職者へのセクハラ防止措置は2026年10月1日から義務(義務化の内容)
個人情報取扱規程個人情報保護法23条、ガイドライン通則編安全管理措置として基本方針・取扱規律の整備が求められる。中小規模事業者は簡易な手法可(個人情報の取扱い)
マイナンバー取扱規程番号法、特定個人情報ガイドライン従業員100人以下の中小規模事業者は取扱規程の策定が必須ではなく、取扱方法・責任者・担当者の明確化で可
電子取引データの訂正削除防止規程電子帳簿保存法タイムスタンプ等に代わる真実性の確保策。国税庁のひな形あり(電子帳簿保存法の実務)
旅費規程(出張日当)所得税基本通達9-3日当を非課税にする根拠。役職間のバランスと同業他社との比較で「通常必要な範囲」を説明できる基準にする
経費精算規程法令上の義務なし精算期限・証憑・承認ルート。経費精算の流れと合わせて整備
テレワーク・副業規程法令上の義務なし(厚労省ガイドラインあり)労働時間管理・費用負担・情報管理を就業規則に追加。副業は「許可制」か「届出制」かを明記
文書管理・印章管理・電子契約規程法令上の義務なし保存年限、押印の権限、電子契約の承認フロー。内部統制と税務調査対応のための規程
生成AI利用ガイドライン法令上の義務なし入力禁止情報と利用範囲を決める(ひな形)

就業規則に書く事項

  • 必ず書く事項(絶対的必要記載事項):始業・終業時刻、休憩、休日、休暇、交替制の場合の就業時転換/賃金の決定・計算・支払方法、締切と支払時期、昇給/退職(解雇の事由を含む)。
  • 制度があれば書く事項(相対的必要記載事項):退職手当/臨時の賃金・最低賃金額/食費・作業用品等の負担/安全衛生/職業訓練/災害補償・業務外の傷病扶助/表彰・制裁の種類と程度/その他全労働者に適用される定め。

「常時10人」は事業場ごとに数え、本社と支店で内容が同じなら本社の所轄署を経由して一括で届け出られます。パート・アルバイトは人数に含みます。パート用に別の就業規則を作る場合も、全体として10人以上なら届出が必要です。

作成・改定から周知までの手順

1原案を作る

厚労省のモデル就業規則を土台に、自社の勤務形態・手当・休暇を反映する。別規程(賃金・育介)も同時に整える

2過半数代表の意見を聴く

過半数労働組合がなければ、管理監督者以外から投票・挙手などで代表者を選び、意見書をもらう。反対意見でも届出はできる

3労働基準監督署へ届け出る

就業規則(変更)届+意見書+規則本文。電子申請は厚労省の「電子申請様式作成支援ツール」か e-Gov。1条だけの変更でも届出が必要

4周知する

掲示・備付け、書面交付、社内サーバーやクラウドでの閲覧など。周知した日(施行日があればその日)から効力が生じる

5年1回見直す

法改正と実態のずれを点検する。給与や休暇を下げる変更は、労働契約法10条の合理性(不利益の程度・必要性・内容の相当性・交渉経緯)を満たす必要がある

2025〜2026年の改正で見直す箇所

施行日改正見直す規程
2025年4月1日育児・介護休業法:看護休暇の見直し、残業免除の対象拡大など育児・介護休業規程
2025年4月1日高年齢者雇用安定法:継続雇用の対象者を限定できる経過措置が終了し、希望者全員を65歳まで雇用就業規則の定年・再雇用条項
2025年4月1日雇用保険法:高年齢雇用継続給付の給付率が最大15%から10%へ(4月以降に60歳になる人)賃金規程(再雇用時の賃金設計)
2025年10月1日育児・介護休業法:3歳から小学校就学前の子を持つ従業員への柔軟な働き方の措置(5つから2つ以上を選択)、個別の意向聴取育児・介護休業規程、就業規則の勤務時間条項
2025年10月1日雇用保険法:教育訓練休暇給付金の創設(就業規則等にもとづく無給の教育訓練休暇が前提)就業規則の休暇条項(制度を設ける場合)
2025年12月厚労省モデル就業規則の改訂(議員立候補休暇の規定例などを追加)就業規則全体の比較点検
2026年10月1日労働施策総合推進法:カスタマーハラスメント防止措置、求職者等へのセクハラ防止措置が義務化ハラスメント防止規程、相談窓口の規定

改正への対応は「規程を直す」だけでは終わりません。意見聴取・届出・周知の3点を改めて行い、変更日と周知方法を記録してください。届出の控えと意見書は、就業規則の保存期間(労働関係の重要書類として少なくとも3年、実務では廃止後も保存)に合わせて保管します。

FAQ

従業員が8人の会社です。就業規則は作らなくてよいですか?

法律上の作成・届出義務はありません。ただし、周知した合理的な就業規則は労働契約の内容になり、休職・懲戒・副業などのルールを根拠づけられます。助成金の中には10人未満でも就業規則の周知を要件にするものがあるため、作っておくことを勧めます。

過半数代表者が意見書に「反対」と書いた場合、届出できますか?

できます。意見を聴くことが義務で、同意を得ることは義務ではありません。反対意見があっても受理されますが、不利益変更の場合は合理性を争われるリスクが高まるため、理由の説明と記録を残してください。

規程はどの順番で作ればよいですか?

就業規則と賃金規程、育児・介護休業規程、ハラスメント防止規程を先に整えます。次に個人情報・マイナンバーの取扱いと電子取引の事務処理規程、最後に旅費・経費精算・文書管理などの運用規程です。

参考リンク(公式)

まとめ

社内規程は、労基法で義務の就業規則とその別規程を先に整え、次に法令・ガイドラインが整備を前提にしている個人情報・マイナンバー・電子取引・旅費の規程、最後に運用規程という順で作ります。作成後は意見聴取・届出・周知までが一連の手続きです。2025〜2026年は育児・介護休業、定年後の雇用、カスハラ防止で見直しが必要な改正が続いているため、年1回の点検を総務の年間予定に入れてください。モデル就業規則と規定例は厚生労働省の最新版で確認してください(2026年10月19日確認)。

この記事は一般的な実務情報の提供を目的としています。個別の規程の内容や不利益変更の可否は、最新の厚生労働省の情報および社会保険労務士・弁護士等の専門家にご確認ください。

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