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※内容は一般的な実務情報の概要のため、最終的な判断は最新の公式情報や専門家への確認を前提にしてください。数値はすべて説明用のサンプルです。
Tool Article
このページは読むだけの記事ではありません。経営計画の立て方の解説に加えて、初年度売上・成長率・変動費率・固定費から、中期3年の売上・限界利益・営業利益・営業利益率の推移を出す3年数値計画シミュレーターを利用できます。単年の予算づくりではなく、複数年の道筋を描くための実務ツールです。単年の予算そのものは予算編成の組み方にまとめています。
この記事でできること
- 理念・戦略を数値計画(売上・利益)とKPIに落とす手順を確認する
- 中期3年の売上・営業利益の道筋をシミュレートする
- 予算(単年)・予実・資金繰りとの位置づけを理解する
- 根拠のある前提でKPIを決め、計画を回す
経営計画とは、会社が「どこへ向かい、どうやって、どれだけの数字を目指すか」をあらかじめ描いたものです。理念・ビジョンや戦略といった方向性を、売上・利益の数値計画と、それを日々追うためのKPI(重要業績評価指標)に落として、はじめて実行できる計画になります。多くの中小企業では単年の予算は作っていても、その予算が中期の道筋のどこに位置するかが曖昧になりがちです。
本記事は、経営管理クラスターの上位ハブです。単年の予算づくりは予算編成の組み方、実績との差異管理は予実管理・差異分析、現金の管理は資金繰り表の作り方に譲り、ここではそれらを束ねる中期(3年)の数値計画とKPIに集中します。数値はすべて説明用のサンプルです。
まず結論
経営計画は、理念・ビジョン → 戦略 → 数値計画(売上・利益)→ KPI → 単年の予算 → 予実という順で具体化すると筋が通ります。ポイントは、予算は経営計画の「単年版」だということです。中期(3年程度)の数値計画を先に描き、その初年度を予算に落とし、予実で回す——この見取り図を持つと、日々の予算・実績が何のための数字かがはっきりします(数値はサンプルです)。
図解:経営計画の全体像(クラスターの見取り図)
経営計画は、上位の方向性から下位の数字へと段階的に具体化します。理念・ビジョンで方向を定め、戦略で「どう戦うか」を決め、数値計画で売上・利益に落とし、KPIで日々追える指標に分解し、初年度を予算にして、実績と比べて回します。この一連の流れのうち、単年の予算・予実・資金繰りは、それぞれ専用の記事で詳しく扱っています。
下位の各工程は、専用の記事で詳しく扱っています。上位ハブである本記事から、必要に応じて確認できます。
数値計画の作り方(目標をKPIへ分解する)
数値計画は、目指す売上・利益・投資を置き、それを達成するためのKPIへ分解して作ります。KPIは、売上や利益という結果(遅行指標)を生み出す先行指標に落とすのがコツです。たとえば売上は「客数 × 客単価」、客数は「新規 + リピート」に分解でき、どこを何%動かせば目標に届くかが見えます。
数値計画そのものは、次の式で組み立てます。CVP(限界利益)の考え方と地続きで、詳細は損益分岐点とCVP分析で確認できます。
- 売上高 = 前年売上 ×(1 + 成長率)
- 変動費 = 売上高 × 変動費率/限界利益 = 売上高 − 変動費
- 営業利益 = 限界利益 − 固定費
- 営業利益率(%) = 営業利益 ÷ 売上高 × 100
3年数値計画シミュレーター(計算ツール)
初年度売上・年成長率・変動費率・固定費(と固定費の年増率)を入れると、Y1〜Y3の売上・変動費・限界利益・固定費・営業利益・営業利益率の推移を出します。あくまで一定の成長率・変動費率を置いた単純化モデルです。成長率は、根拠のある前提(市場・戦略・KPI)に基づいて置いてください。
Input
入力カード
Result
結果カード
初年度売上・成長率・変動費率・固定費を入力すると、3年の数値計画の推移が表示されます。
計算例
Example
前提条件(サンプル)
- 初年度売上高:100,000,000円(1億)
- 売上の年成長率:10%/変動費率:40%
- 固定費(初年度):55,000,000円/固定費の年増率:5%
Formula
計算式(Y2の例)
売上:1億×1.1=1.1億
限界利益:1.1億×60%=6,600万
固定費:5,500万×1.05=5,775万
営業利益:6,600万−5,775万=825万
Result
3年推移(営業利益/利益率)
- Y1:営業利益500万円(5.0%)
- Y2:営業利益825万円(7.5%)
- Y3:営業利益1,196.25万円(9.9%)
- 売上が伸び、固定費の伸びを限界利益が上回れば利益率は改善する
KPIの決め方と管理
KPIは、数値計画の達成度を日々追うための指標です。決め方と回し方の要点は次のとおりです(業種・事業で最適な指標は異なります)。
- 遅行指標と先行指標を分ける:売上・利益は結果(遅行指標)です。それを生む先行指標(客数・受注件数・リピート率・稼働率など)をKPIに選ぶと、早く手を打てます。
- 数値計画と連動させる:目標売上を「客数 × 客単価」などに分解し、各KPIの目標値を数値計画から逆算します。KPIが動けば数値計画も動く関係にしておきます。
- 月次で追う:KPIは月次で実績を確認し、ズレたら早めに対応します。実績と計画の差の見方は予実管理・差異分析と同じ考え方です。
- 数を絞る:KPIは多すぎると追えません。事業の要になる少数の指標に絞ります。
予算・予実・資金繰りとの接続
経営計画は、下位の管理と接続してはじめて回ります。上位ハブとして、それぞれの役割を整理します。
- 単年へ落とす:中期計画の初年度を予算に落とします。作り方は予算編成の組み方にあります。
- 実績で管理する:予算と実績の差異を分析し、次に活かします。予実管理・差異分析へ。
- 資金を確認する:利益(損益)とは別に、現金の入出金と月末残高を管理します。資金繰り表の作り方へ。
- 指標で目標を置く:収益性・安全性・効率性の指標を計画の目標にできます。財務諸表分析・経営指標へ。
- 値決めの土台:限界利益・損益分岐点は数値計画の前提です。損益分岐点とCVP分析へ。
計画と実績の集計を仕組みにしたいと感じたら
経営計画は、実績(試算表・決算書)を毎月そろえて計画と比べられると精度が上がります。会計ソフトで数字を継続的に把握できると、数値計画・予算・予実の一連の運用がつながります。
注意点
本記事とツールは、単純化モデルによる概算・実務整理を目的としています。
- 成長率・KPIは各社の前提・戦略によって決まります。根拠のない右肩上がりの計画にしないことが最も大切です。
- 「一定の成長率・変動費率」を置いた単純化モデルです。実際は事業・年度で変動します。
- 市場や前提が変われば計画は見直します。計画は立てて終わりではなく、更新して使うものです。
- 数値はすべて説明用のサンプルです。経営計画・投資・資金調達などの正式な判断は、税理士・中小企業診断士・公認会計士等にご確認ください。
関連記事・クラスターの各記事
経営計画(本記事)を起点に、単年の予算・予実・資金の各記事を確認できます。いずれも実務で使うことを前提に整理しています。
- 予算編成の組み方(×CVP)|中期計画の初年度を落とす単年予算の作り方。
- 予実管理・差異分析|予算と実績の差異を分析し、計画を回します。
- 資金繰り表の作り方|利益とは別に、現金の入出金と月末残高を管理します。
- 財務諸表分析・経営指標|収益性・効率性などの指標を計画の目標に置くときに。
- 損益分岐点とCVP分析|限界利益・損益分岐点。数値計画の前提になります。
FAQ
経営計画と予算は何が違いますか?
経営計画は、理念・戦略を含む中期(数年)の道筋で、数値計画とKPIを伴います。予算は、その経営計画の単年版で、1年間の売上・費用・利益の計画です。経営計画で中期の方向を描き、その初年度を予算に落とし、予実で回す、という関係になります。予算の作り方は予算編成の組み方で扱います。
中期の経営計画は何年で立てますか?
中小企業では、単年計画に加えて3年程度の中期計画を立てるのが一般的です。3年は、戦略の効果が数字に表れるのに十分で、かつ前提が大きく外れない現実的な期間だからです。5年計画を作る会社もありますが、遠い年ほど前提の不確実性が高くなるため、毎年見直す前提で運用します。
KPIはどう選べばよいですか?
売上・利益という結果(遅行指標)を生み出す先行指標を選ぶのが基本です。たとえば客数・客単価・受注件数・リピート率・稼働率などで、業種によって最適な指標は異なります。数が多すぎると追えないため、事業の要になる少数に絞り、数値計画から逆算した目標値を置きます。
売上の成長率はどう決めますか?
過去の実績、市場の動向、自社の戦略やKPIの積み上げから、根拠を持って置きます。「なんとなく毎年10%」のような根拠のない右肩上がりは避けます。強気の前提を置くなら、それを支えるKPI(新規獲得や単価向上など)の裏づけをセットで用意します。前提が変われば成長率も見直します。
数値計画と行動計画(アクションプラン)の関係は?
数値計画は「いくらを目指すか」、行動計画は「そのために何をするか」です。数値計画をKPIに分解し、各KPIを動かすための具体的な行動(施策・担当・期限)に落としたものが行動計画です。数字だけ、行動だけ、のどちらか一方では計画は回りません。両方をつないで初めて実行できます。
計画が未達のときはどうすればよいですか?
まず予実管理で、どのKPI・どの費目で計画とズレたかを切り分けます。実行側に改善余地があれば行動を見直し、前提そのものが変わっていれば計画(成長率・KPIの目標)を更新します。計画は達成できなかったから失敗、ではなく、差異から学んで次に活かすためのものです。差異の見方は予実管理・差異分析で確認できます。
まとめ
経営計画は、理念・戦略を数値計画(売上・利益)とKPIに落とし、その初年度を予算にして予実で回す——という道筋を描くものです。予算は経営計画の単年版であり、中期3年の道筋の中に位置づけると、日々の数字の意味がはっきりします。まずは本記事の3年シミュレーターに自社の前提を入れて、売上と営業利益率の推移を確認するところから始めましょう。ただし、成長率は根拠を持って置き、前提が変われば見直すことが大切です。
この記事は一般的な実務情報の提供を目的としています。税務・会計・経営上の判断が必要な場合は、税理士・中小企業診断士・公認会計士などの専門家へ確認してください。
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