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予実管理・差異分析|予算と実績を比べて次に活かす

作った予算を「立てて終わり」にせず、実績と比べて差異を読み、次の打ち手につなげます。売上・費用・営業利益の差異と達成率を出す予実差異ツールで、経営判断に使える実務ツール型の記事です。

※本記事は広告(アフィリエイトリンク)を含みます。
※内容は一般的な実務情報の概要のため、最終的な判断は最新の公式情報や専門家への確認を前提にしてください。数値はすべて説明用のサンプルです。

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このページは読むだけの記事ではありません。予実管理・差異分析の解説に加えて、売上・費用の予算と実績を入れると、差異(実績−予算)・達成率・営業利益の予実対比を出す予実差異ツールを利用できます。予算を作る機能ではなく、作った予算と実績を比べて次の行動に活かすための実務ツールです。予算そのものの作り方は予算編成の組み方にまとめています。

この記事でできること

  • 予算と実績の差異(金額)と達成率を計算ツールで出す
  • 有利差異・不利差異が売上と費用で逆向きになることを理解する
  • 売上・費用・営業利益の予実対比の読み方を身につける
  • 差異を次の改善アクション(PDCAのC→A)に活かす

予実管理とは、あらかじめ立てた予算(Plan)と、実際の実績(Do)を比べて、そのズレ(差異)を分析し、次の行動(Action)につなげる管理のことです。予算は立てて終わりではなく、実績と比較してはじめて意味を持ちます。差異を「金額・率・有利/不利」で読めるようになると、どの売上・費用で計画からズレたかが分かり、打ち手を早く選べます。

本記事は、簿記(記録)で集めた実績と、予算編成の組み方で作った予算を突き合わせる実践編です。予算の作り方は予算編成へ、資金の入出金は資金繰り表の作り方へ、CVPの理論は損益分岐点とCVP分析、指標は財務諸表分析・経営指標に譲り、ここでは予算と実績を比べる差異分析とツールに集中します。数値はすべて説明用のサンプルです。

まず結論

差異は実績 − 予算で求め、達成率は実績 ÷ 予算 × 100で見ます。ポイントは、有利・不利の向きが売上と費用で逆になることです。売上・利益は「実績>予算」が有利、費用は「実績<予算」が有利です。同じ「実績が予算より多い」でも、売上なら好調、費用なら使いすぎ、と読みが変わります(数値はサンプルです)。

比べて次に活かす予実管理は予算と実績を比べ、差異を分析して次の打ち手につなげる。予算は立てて終わりにしない
金額・率・有利/不利で読む差異=実績−予算、達成率=実績÷予算。売上・利益は実績が多いほど有利、費用は逆
PDCAのC→Aを回す評価(Check)で差異を見て、改善(Action)で次の予算や行動に反映する。月次で繰り返す

図解:PDCAと予実管理の位置づけ

予実管理は、経営のPDCA(計画→実行→評価→改善)のうち、評価(Check)と改善(Action)にあたります。予算で計画を立て(Plan)、日々の業務で実行し(Do)、実績と比べて差異を評価し(Check)、次の打ち手に反映する(Action)——この評価と改善の部分が予実管理です。予算づくり(Plan)は予算編成の組み方で扱います。

PDCAサイクルと予実管理の位置づけ 計画(予算を作る)・実行(日々の業務)・評価(予実比較・差異分析)・改善(次の打ち手)の4つを矢印でつないだサイクル。予実管理は評価と改善にあたることを示す。 計画(Plan) 予算を作る 実行(Do) 日々の業務 評価(Check) 予実比較・差異分析 改善(Action) 次の打ち手 予実管理=C→A 次の予算へ
予実管理は、PDCAのうち評価(Check)と改善(Action)にあたります。差異を評価し、次の予算・行動へ反映してサイクルを回します(概念図・数値は例示)。

予実対比表の作り方と有利・不利の向き

予実対比表は、売上・費用・営業利益などの項目ごとに「予算・実績・差異・達成率」を横に並べた表です。差異は実績−予算、達成率は実績÷予算×100で計算します。ここで最も間違えやすいのが、有利差異・不利差異の向きです。

  • 差異 = 実績 − 予算
  • 達成率(%) = 実績 ÷ 予算 × 100(分母は予算)
  • 売上・利益:実績>予算 が有利差異(好調)、実績<予算 が不利差異
  • 費用:実績<予算 が有利差異(節約)、実績>予算 が不利差異(使いすぎ)
  • 営業利益 = 売上 − 費用。利益差異 = 実績営業利益 − 予算営業利益
有利差異・不利差異の向き(売上・利益と費用で逆) 左は売上・利益で、実績の棒が予算の棒より高いと有利。右は費用で、実績の棒が予算の棒より高いと不利。同じ「実績>予算」でも、売上・利益では有利、費用では不利になることを対比で示す。 売上・利益 予算 実績 実績>予算 =有利 費用 予算 実績 実績>予算 =不利
差異=実績−予算。同じ「実績が予算より多い」でも、売上・利益では有利、費用では不利です。向きが逆になる点に注意します(概念図・数値は例示)。

予実差異の計算ツール

売上と費用の予算・実績を入れると、差異(実績−予算)・達成率・営業利益の予実対比を出します。金額は同じ期間(月次なら月次)でそろえて入力してください。予算を作るツールではなく、作った予算と実績を比べるツールです。

Input

入力カード

Result

結果カード

売上・費用の予算と実績を入力すると、差異・達成率・営業利益の予実対比が表示されます。

計算例

Example

前提条件(サンプル)

  • 売上高:予算1億円 / 実績1.08億円
  • 費用合計:予算9,000万円 / 実績9,500万円
  • 営業利益=売上−費用で計算

Formula

計算式

売上差異/達成率
1.08億−1億=+800万/108.0%

費用差異
9,500万−9,000万=+500万(不利)

営業利益(予算→実績)
1,000万→1,300万=差異+300万

Result

読み取り

  • 売上:差異+800万円(達成率108.0%・有利)
  • 費用:差異+500万円(予算超過=不利)
  • 営業利益:予算1,000万→実績1,300万円(差異+300万・達成率130.0%)
  • 売上増が費用増を上回り、利益は予算超過。ただし費用の使いすぎは要因を確認

差異の読み方(要因への切り分け)

差異が出たら、次に「なぜズレたか」を要因に切り分けます。ここが差異分析の“効く”ところで、簿記1級(原価計算)でも扱う考え方です。詳細な計算まではしませんが、次のように分解して考えると打ち手につながります。

  • 売上差異は、数量差異(売れた数の予実差)と単価差異(売価の予実差)に切り分けられます。数量で伸びたのか、単価で伸びた(値上げ・値引き)のかで、次の一手が変わります。
  • 費用差異は、変動費差異(売上に連動する費用のズレ)と固定費差異(家賃・人件費などのズレ)に切り分けられます。売上が増えて変動費が増えたのか、固定費が想定外に増えたのかを分けて見ます。
  • 変動費・固定費の分け方そのものは損益分岐点とCVP分析、指標での深掘りは財務諸表分析・経営指標で確認できます。
差異から打ち手へ(要因への分解) 売上差異は数量差異と単価差異に、費用差異は変動費差異と固定費差異に切り分けられ、それらを踏まえて次のアクション(打ち手)を選ぶことを示す図。 売上差異 費用差異 数量差異 単価差異 変動費差異 固定費差異 次のアクション (打ち手を選ぶ) 要因を特定して打ち手に変換
売上差異は数量・単価に、費用差異は変動費・固定費に切り分け、要因を特定して次の打ち手につなげます(概念図・数値は例示)。

差異を次に活かす

差異分析は、犯人探しではなく次の行動を決めるために行います。実務では次の順で回すと無理がありません(いずれも自社の状況に合わせて判断してください)。

  • 月次で回す:単月だけでなく、期初からの累計と推移でも見ます。単月のブレは累計で均されることがあるためです。
  • 大きい差異から手を打つ:金額と率の両方で目立つ項目から確認します。小さな差異を全部追うより、影響の大きいものに集中します。
  • 予算と実績のどちらを見直すか:実績側に問題(使いすぎ・回収遅れ)があれば行動を改善し、そもそも予算が実態と合っていなければ予算側を見直します。前提が変わったなら予算の再設定も選択肢です。

なお、差異分析の先にある中期的な経営計画づくりは、本クラスターで今後扱う予定です。まずは本記事の予実差異ツールで、毎月の差異と達成率を可視化するところから始めましょう。

予実の集計を仕組みにしたいと感じたら

予実管理は、実績(試算表・決算書)を毎月そろえて予算と比較できると精度が上がります。会計ソフトで費用を科目・区分ごとに把握できると、差異分析や来期の予算づくりにもつながります。

予算・資金繰りとの関係

予実管理は、予算づくりや資金繰りと地続きですが、役割が違います。混同しないよう、次のように使い分けます。

  • 予算づくり(Plan):売上・費用・利益の計画。作り方は予算編成の組み方にあります。予実管理は、その予算と実績を比べる工程です。
  • 資金繰り(現金の管理):利益(損益)とは別に、現金の入出金と月末残高を管理します。資金繰り表の作り方で扱います。予実の利益差異が出ても、資金は別に確認が必要です。
  • 指標での深掘り:差異の背景を収益性・効率性で読むなら財務諸表分析・経営指標が使えます。

注意点

本記事とツールは、単純化モデルによる概算・実務整理を目的としています。

  • 売上・費用合計・営業利益という粗い粒度の対比です。実務では部門別・費目別などの粒度で見ると要因が特定しやすくなります。
  • 季節性のある事業では、単月の差異だけでなく累計と推移で判断してください。
  • 費用の予算超過が常に悪いとは限りません(売上増に伴う変動費増など)。要因を切り分けて読みます。
  • 数値はすべて説明用のサンプルです。予算・投資などの正式な判断は、税理士・公認会計士等にご確認ください。

差異分析を確認したら、前提となる予算づくりや資金・指標の各記事もあわせて確認できます。いずれも実務で使うことを前提に整理しています。

FAQ

有利差異と不利差異の違いは何ですか?

会社にとって望ましい方向のズレが有利差異、望ましくない方向が不利差異です。向きは項目で逆になります。売上・利益は「実績>予算」が有利、費用は「実績<予算」が有利です。差異の金額(実績−予算)の符号だけで判断せず、項目が売上系か費用系かをあわせて読みます。

達成率はどう見ればよいですか?

達成率は「実績 ÷ 予算 × 100」で、予算に対してどこまで到達したかの割合です。売上や利益は100%以上なら予算超過、費用は100%以下なら予算内に収まった、という読み方になります。分母は予算なので、予算が0のときは達成率を出せません(本ツールでも予算0の達成率は表示しません)。

費用が予算を超えたら、いつも悪いことですか?

必ずしも悪いとは限りません。売上が予算より伸びれば、それに連動する変動費(仕入・材料費など)が増えるのは自然です。問題は、固定費が想定外に増えた場合や、売上が伸びていないのに費用だけ増えた場合です。費用差異は変動費差異と固定費差異に切り分けて読みます。

差異分析はどの粒度で行えばよいですか?

まずは売上・費用・営業利益といった大きな粒度で全体像をつかみ、差異が大きい項目を部門別・費目別など細かい粒度に落として要因を探します。最初から細かく見ようとすると手間がかかりすぎるため、大きい差異から掘り下げるのが実務的です。

単月と累計のどちらで見るべきですか?

両方見るのが基本です。単月は直近の状況をつかむのに向きますが、季節性や一時的なズレでぶれます。期初からの累計と推移をあわせて見ると、単月のブレが均され、傾向がつかめます。単月で慌てず、累計で判断するとバランスが取れます。

予算と実績、どちらを見直すべきですか?

実績側に改善できる問題(費用の使いすぎ・回収の遅れなど)があれば行動を改善します。一方、前提(市況・単価・数量の想定)が大きく変わって予算が実態と合っていないなら、予算側を見直します。差異が毎月同じ方向に出続けるなら、予算の設定自体を疑うサインです。

まとめ

予実管理は、予算と実績を比べ、差異(実績−予算)と達成率(実績÷予算)で読み、要因を切り分けて次の打ち手につなげる管理です。売上・利益は実績が多いほど有利、費用は逆、という向きを押さえるのがコツです。まずは本記事の予実差異ツールに自社の予算と実績を入れて、売上・費用・営業利益の差異と達成率を確認するところから始めましょう。月次で回し続けると、来期の予算の精度も上がります。

この記事は一般的な実務情報の提供を目的としています。税務・会計・経営上の判断が必要な場合は、税理士・公認会計士などの専門家へ確認してください。

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