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Legal Update

パート・有期雇用の労働条件明示(2026年10月改正)通知書に追加する1項目と記載例

2026年10月1日以降の雇い入れ・契約更新から、パート・有期雇用労働者への労働条件の明示事項が1つ増えました。追加する項目と記載例、様式改定の手順を整理します。

※本記事は広告(アフィリエイトリンク)を含みます。
※内容は一般的な実務情報の概要のため、最終的な判断は最新の公式情報や専門家への確認を前提にしてください。

まず結論

パートタイム・有期雇用労働法の施行規則が改正され、2026年10月1日以降に雇い入れる(契約更新を含む)パート・有期雇用労働者には、「通常の労働者(正社員)との待遇の違いの内容や理由などについて説明を求めることができること」を、労働条件通知書などで明示する必要があります。改正後の施行規則では「法第14条第2項の規定による説明を求めることができる旨」が明示事項に追加されました(令和8年厚生労働省令第87号。2026年4月28日公布、同年10月1日施行)。施行日以降の雇い入れが対象で、有期契約は更新をもって「雇い入れ」となるため、10月1日以降の更新時には明示が必要です(令和8年6月29日付 施行通達。2026年10月時点)。

追加される明示事項待遇差の内容・理由等の説明を求められる旨
対象2026年10月1日以降の雇い入れ・契約更新
準備通知書の様式改定と、説明を受ける窓口・資料の整備

状況の整理:自社は対象か

状況追加の明示補足
2026年10月1日以降に新しくパート・アルバイト・契約社員を雇い入れる必要雇い入れ時の労働条件通知書(または労働契約書)に記載
2026年10月1日以降に有期契約を更新する必要更新時の通知書に記載。更新のたびの明示事項に含める
2026年9月30日以前から働いていて、契約更新がない遡及適用なし法律上の義務は生じないが、周知しておくと説明を求められたときに対応しやすい
正社員(期間の定めのないフルタイム)を雇い入れる対象外パート・有期雇用労働者が対象の明示事項

パート・有期雇用労働法では、雇い入れ時に昇給・退職手当・賞与の有無と相談窓口を文書で明示することが従来から義務づけられており、違反には10万円以下の過料があります(同法第31条)。今回の改正は、この文書明示事項に1項目を加えるものです。

改正前後の明示事項

区分改正前(〜2026年9月)改正後(2026年10月〜)
労働基準法の明示事項契約期間、就業場所・業務、労働時間、賃金、退職など(2024年4月改正分を含む)変更なし
パート・有期雇用労働法の文書明示事項昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、相談窓口左記に加えて、通常の労働者との待遇差の内容・理由等について説明を求めることができる旨

労働条件通知書への記載例

厚生労働省のモデル労働条件通知書では、社会保険の加入状況や相談窓口を記載する「その他」の欄に、独立した1行として新しい項目が追加されています。自社様式を使っている場合は、相談窓口の項目の近くに同じ1行を追加します。モデル様式の文言をそのまま使った記載例です。

・次の窓口に対して通常の労働者との間の待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができる。
部署名:総務部 担当者職氏名:○○ (連絡先:内線○○○)

「通常の労働者」は自社での呼び方(「正社員」等)に置き換えてもよいとされています(厚生労働省リーフレット)。文言は厚生労働省のモデル様式に合わせてください。「質問があれば総務に聞いてください」と口頭で伝えるだけでは文書明示にならないため、通知書か労働契約書に書面(本人が希望すればメール等の電子交付も可)で記載します。

様式改定から運用までの手順

1様式を改定する

通知書・契約書のひな形に1項目を追加し、2026年10月1日以降の雇い入れ・更新から使う

2窓口を決める

説明を求められたときに対応する部署・担当者を決め、通知書に記載する

3説明資料を用意する

正社員との待遇差(賞与・手当・休暇など)の内容と理由を、口頭説明用の資料か交付用の資料にまとめる

4記録を残す

説明を求められた日、説明内容、交付した資料を記録し、就業規則・賃金規程と矛盾がないか確認する

同じ2026年10月1日に、同一労働同一賃金ガイドライン(令和8年厚生労働省告示第203号で改正)と雇用管理指針(同第202号で改正)も適用されています。通知書に1行加えるだけでなく、待遇差を説明できる根拠(賃金規程・手当の支給基準)を整えておくことが、この改正の実務上の本体です。入社時の手続き全体は社会保険の加入手続き、労働時間の管理は勤怠管理の基礎で確認できます。

FAQ

すでに働いているパートにも新しい通知書を渡す必要がありますか?

改正省令は施行日以降に新たに雇い入れる場合が対象で、施行前からの契約に改めて明示する義務は示されていません。ただし有期契約は更新のたびに明示が必要なため、更新のタイミングで新様式に切り替えます。無期のパートについても、周知文書で案内しておくと運用が揃います。

説明を求められたら、どこまで答える必要がありますか?

待遇差の内容と、その理由(職務内容、責任の程度、配置の変更範囲など)を説明します。説明方法は、資料を使った口頭説明か、説明事項を記載した資料の交付が指針で示されています。説明を求めたことを理由にした不利益な取扱いは禁止されています。

電子交付でも明示したことになりますか?

労働者が希望した場合は、メールなど本人が出力して書面にできる方法での交付が認められています。希望の有無を記録に残してください。

参考リンク(公式)

まとめ

2026年10月1日以降のパート・有期雇用労働者の雇い入れ・契約更新では、待遇差の説明を求められる旨を通知書に明示します。様式の改定、窓口の設定、説明資料の準備を一度に済ませておくと、説明を求められたときに慌てません。省令・告示の原文と最新のモデル様式は厚生労働省で確認してください(2026年10月19日確認)。

この記事は一般的な実務情報の提供を目的としています。個別の契約内容や待遇差の説明の妥当性は、最新の厚生労働省の情報および社会保険労務士・弁護士等の専門家にご確認ください。

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