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Bookkeeping Case

借方・貸方の覚え方と迷ったときの判断手順

借方・貸方は、左右の名前を暗記するより「何が増えたか」を見ると実務で迷いにくくなります。

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※内容は一般的な実務情報の概要のため、最終的な判断は最新の公式情報や専門家への確認を前提にしてください。

まず結論

借方は左、貸方は右です。ただし実務では左右の名前だけを覚えても判断できません。資産や費用が増えたら借方、負債・純資産・収益が増えたら貸方、という増減の考え方で確認します。

名前より「増減」で見る借方=左・貸方=右だが、左右の暗記より「何が増えて何が減ったか」で判断すると迷いにくい
区分ごとに定位置がある資産・費用は増えたら借方、負債・純資産・収益は増えたら貸方。減ったら反対側に置く
必ず両面で一致ひとつの取引は借方と貸方の両方に記録され、借方合計と貸方合計は必ず一致する(貸借平均)

図解:借方・貸方の判定フロー

借方か貸方かは、次の順で考えると判断できます。まず増えた・減った科目を挙げ、その科目の区分(資産・費用か、負債・純資産・収益か)を見て、増えたか減ったかで置く側を決めます。最後に借方合計と貸方合計が一致するかで検算します。区分そのものの意味は簿記の基礎知識で確認できます。

取引が発生証憑を見て「何が増えて・何が減ったか」を科目で挙げる
Q1その科目の区分は?
資産・費用借方が定位置
負債・純資産・収益貸方が定位置
Q2その科目は増えた?減った?
増えた定位置側に置く
減った反対側に置く
借方(左)に置く資産・費用が増えた/負債・純資産・収益が減った
貸方(右)に置く負債・純資産・収益が増えた/資産・費用が減った
借方合計=貸方合計を確認取引は必ず両面。左右の合計が一致するかで検算する

増えたらどちらに置くか

区分増えたとき減ったとき
資産借方貸方現金、普通預金、備品
費用借方貸方消耗品費、旅費交通費、給与手当
負債貸方借方買掛金、未払金、借入金
収益貸方借方売上高、受取手数料

借方・貸方 判定ツール

科目の区分と「増えた/減った」を選ぶと、借方・貸方のどちらに置くかを判定します。ホームポジション(定位置)を使った確認ヘルパーです。取引例から仕訳を作る体験は簿記の基礎知識にあります。

Input

入力カード

Result

結果カード

区分と変化を選ぶと、借方か貸方かを判定します。

迷ったときの3ステップ

  1. 証憑を見て、会社に何が起きたかを一文で書きます。
  2. 増えたものと減ったものを分けます。
  3. 借方・貸方の合計金額が一致しているか確認します。

たとえば「現金で切手を買った」なら、通信費が増え、現金が減ります。通信費は費用なので借方、現金は資産が減るので貸方です。

図解:貸借平均の原理(複式の両面)

複式簿記では、ひとつの取引を必ず借方と貸方の両面に記録します。そのため、借方の合計と貸方の合計は必ず一致します(貸借平均の原理)。左右が一致しないときは、どこかで科目や金額を取り違えているサインです。下は「現金で切手(通信費)を8,400円分買った」場合の例です。

貸借平均の原理(複式の両面) 現金で切手(通信費)8,400円を買った取引を、借方に通信費8,400円、貸方に現金8,400円と左右対称に記録し、借方合計と貸方合計が同じ8,400円で一致することを示す図。 取引:現金で切手(通信費)を8,400円購入 借方(左) 通信費 8,400円 費用が増えた 貸方(右) 現金 8,400円 資産が減った 借方合計 8,400円 = 貸方合計 8,400円 1つの取引は必ず両面に記録され、合計は一致する
ひとつの取引は借方と貸方の両面に記録され、借方合計と貸方合計は必ず一致します(貸借平均の原理・数値は例示)。

判断の実例(増えた/減った → 区分 → 左右)

早見表を「あてはめる」練習として、代表的な取引を分解します。増えた・減ったものを挙げ、区分から左右を決める流れです(数値・科目は例示です)。

Case 1

現金で売上が入った

  • 現金(資産)が増えた → 借方
  • 売上(収益)が増えた → 貸方

借方:現金 / 貸方:売上高

Case 2

掛けで商品を仕入れた

  • 仕入(費用)が増えた → 借方
  • 買掛金(負債)が増えた → 貸方

借方:仕入 / 貸方:買掛金

Case 3

給与を支払い源泉税を預かった

  • 給与手当(費用)が増えた → 借方
  • 預り金(負債)が増えた → 貸方
  • 普通預金(資産)が減った → 貸方

借方:給与手当 / 貸方:預り金・普通預金

借方・貸方に迷うときは、先に科目名を探すのではなく、取引の中身を言葉にしてください。科目候補は勘定科目の選び方で確認できます。基礎全体は簿記の基礎知識に戻ると整理しやすくなります。

実務メモ:左右より先に証憑を見る

実務で多い失敗は、借方・貸方を考える前に証憑を見落とすことです。領収書に「備品」と書かれていても、社内で消耗する少額物品なのか、長く使う固定資産なのかで処理は変わります。請求書の明細、利用目的、承認者のコメントを確認してから左右に置くと、後から説明しやすい仕訳になります。

また、会計ソフトへ入力するときは、借方・貸方だけでなく摘要も重要です。摘要に「誰が」「何のために」「どの証憑に基づいて」処理したのかが残っていると、月次確認や決算時の質問対応が短くなります。迷った取引は、その場で判断しきらず、過去処理や税理士確認の結果を社内メモとして残しておくと次回から迷いにくくなります。

社内でよく出る取引は、早見表として残しておくと効果的です。「交通費を現金精算した」「請求書払いで備品を買った」「売上が入金された」など、実際の証憑に近い例で借方・貸方を記録しておくと、新任担当者でも同じ処理を再現しやすくなります。

特に月末は処理件数が増えるため、迷う取引ほどその場でメモを残します。判断理由が残っていれば、翌月以降の確認時間を減らせます。

FAQ

借方と貸方は左右が逆になることがありますか?

表示上は常に借方が左、貸方が右です。変わるのは、資産・費用・負債・収益の増減に応じて置く科目です。

貸方は借金という意味ですか?

日常語の「貸す」とは切り離して考えます。簿記では右側の欄名であり、収益や負債が増える場所として使います。

なぜ借方と貸方は必ず一致するのですか?

複式簿記では、ひとつの取引を必ず原因と結果の両面(借方と貸方)で記録するためです。たとえば現金が減れば、その分だけ何かの費用や資産が増えています。両面を同じ金額で記録するので、借方合計と貸方合計は必ず一致します(貸借平均の原理)。一致しないときは科目や金額の取り違えを疑います。

片方が複数の科目になる仕訳(複合仕訳)はどう考えますか?

考え方は同じで、増えた・減ったものを一つずつ「区分→左右」で置くだけです。たとえば給与支払では、給与手当(費用の増加=借方)に対し、預り金(負債の増加=貸方)と普通預金(資産の減少=貸方)が並びます。科目が増えても、借方合計と貸方合計が一致していれば整合します。

減ったときはどちらに置きますか?

その区分の定位置の反対側に置きます。資産・費用は増えたら借方が定位置なので、減ったら貸方です。負債・純資産・収益は増えたら貸方が定位置なので、減ったら借方に置きます。上の判定ツールでも確認できます。

会計ソフトを使っても借方・貸方を意識する必要はありますか?

自動仕訳や摘要辞書で入力は楽になりますが、提案された仕訳が正しいかを確認するには、借方・貸方の考え方が土台になります。とくに新しい取引や複合仕訳では、増えた・減ったと区分から左右を確かめられると、誤仕訳に気づけます。

この記事は一般的な実務情報の提供を目的としています。個別の会計処理は社内ルールや専門家に確認してください。

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